正社員からパート(非常勤)に働き方を変えた保育士の等身大をお届けします。
今回は、東京都在住でなかなか子どもを授かることができず、40歳で念願の第一子を出産したパート職で働く保育士(荒巻さん、42歳)にお話を伺いました。
育休明けは正社員として復帰するも、保育士特有のシフト勤務に育児と仕事のバランスがとれず、半年後にはパートに働き方を変えた荒巻さん。
それでも、我が子や家族との時間を過ごせているため後悔はないようです。
保育士だからこそ知っている子どもの成長を自分の目でしっかりと見届けたかったのでしょう。
目次
不規則なシフト勤務のため両立ができず、育児を優先することにした
(正社員からパートに働き方を変えた理由・背景)
正社員からパートへ働き方を変えたのは”育児”が理由でした。
我が家は結婚こそ遅くはなかったのですが、長年不妊症に悩まされ、40歳でようやくやっと我が子を授かる事ができました。
高齢での初産でしたが、母子ともに体調面にはまったく問題はなかったので、当初の計画としては、産後は1年ほど産休・育休をいただき、その後は正社員のまま職場復帰する予定でいました。
保育士ながらも初めての子育てには四苦八苦してばかりで、育休もあっという間に終わってしまい、2歳児クラスの担当として復帰しました。
ところが、すぐに育児と仕事の両立に困惑してしまったのです。
私の勤めていた保育園は、朝6時30分から子どもたちを預かっていたので、早番となると朝がとても早く、また延長保育は午後7時30分まででしたので、シフトによって時間も不規則になります。
産後も仕事へのやりがいは感じていましたが、やはり我が子(と家庭)を優先したいと思い、夫と相談し、勤務時間に融通がきくパート勤務へ変更することに決めました。
幸い保育園側もこのことをすぐに了解してくれましたので、復帰して半年後にはスムーズに正社員からパートへ変わる事ができました。
お給料は半分になり、海外旅行やショッピングは自粛
(正社員とパートのギャップ)
一番のギャップは”お給料”です。
正社員として働いていた時は、保育士なのでお給料がすごくよいというわけではありませんが、旦那の稼ぎもあり、もちろん子どもがいませんでしたので、連休には海外旅行へ出かけたり、週末はショッピングを楽しんだり、ネイルサロンやエステサロンに通っていました。
また、食べる事が好きなので、新しいレストランや人気のレストランで美味しいお食事を楽しんだりと随分と出費をしていました。
そんな我が家も私がパートになった現在では、手取りは半分程度となり毎月の予算内で家計をやりくりする努力が必要になったのです。
子どもの将来の為に貯金(学資保険)も始めるなど、なんやかんやで子どもが産まれてからは、何かと出費が増えたので、経済的にはきつくなりましたが、なんとかやりくりをしています。
海外旅行やエステサロンに通える日はいつ来るのか、現在のところ全く予定はありません。
仕事や収入は確かに重要ですが、家族と過ごす時間は何よりも大切なもの
(保育士としてパート職を選択して良かったと思うこと)
パート職を選択して一番よかったと思う事は、子どもと一緒に過ごせる時間が長くなった事です。
保育士という仕事柄、子どもの成長は本当に早いということを日々実感していたので、少しでも多くの時間を子どもと過ごし、また家族の時間を多くもてることが何よりもパート職に変えて良かったと思いました。
仕事や収入は生活していく上で確かに重要ですが、家族と過ごす時間とその思い出は、何よりも大切なものだと思っていますので、後悔はしていません。
正社員の仕事をしていたときは、仕事から疲れて家に帰り、疲れからか不機嫌になり、夫と口論になる事も多々ありましたが、パートに変えてからは、時間に余裕ができたため、ストレスも減り、イライラする事も少なくなりました。
家庭内に笑顔の数が増えたので、子供にとってもよかったと思います。
職場の保育士、その他スタッフの人間関係が良いので保育士を続けられる
(保育士を辞めるひとが多い中、あなたが保育士として働き続けている理由)
私が現在も保育士として働き続けている理由は、働いている保育園の保育士さん、その他のスタッフの人間関係がとても良い事が一つの理由です。
また、昔から子どもが好きでこの仕事を選びましたので、現在でも他の職に変わる気はありません。
保育士としての仕事は、一見単純に見えるかもしれませんが、子どもたちの成長の数だけ毎日に変化があります。
だから毎日がとても新鮮なのです。
時にはストレスを感じる日もありますが、毎日子ども達の笑顔を見るたびに、この仕事について本当によかったと思います。