正社員からパート(非常勤)に働き方を変えた保育士のリアルをお届けします。
今回は、山梨県在住で3人の子育てをしながら幼稚園のパート職で働く保育士(白根さん、35歳)にお話を伺いました。
やりがいを感じながらも、ご自身のお子様が生まれた後は、子育てと両立するには幼稚園の仕事量は限界を超えていたため離職してしまった白根さん。
ブランクからの復帰としてパート職を選択した道のりは、約50万人いると言われている潜在保育士の参考になるはずです。
白根さんのような「やっぱり子どもが大好き!」と言える保育士さんに子どもを預けたいですね。
目次
幼稚園の仕事量は、結婚し子どもがいる人には到底出来る量ではなくパート職へ
(正社員からパートに働き方を変えた理由・背景)
短大を卒業してすぐ地元の私立の幼稚園に正社員として就職し、3歳児年少クラスを1人で受け持つことになりました。
その幼稚園はマーチング指導が有名で、他にもスイミングや英語、体操など色々なことを取り組んでいて、そんな中、絵画活動や音楽発表会にも力を入れていたので、職員の仕事量がとにかくとにかく多かったです。
毎日早くても19時頃までは幼稚園で仕事をし、その後家に帰ってからも持ち帰りの仕事をしていました。
月末はそれに加え、23人の子ども一人ひとりにその月の様子を連絡ノートに書き、お便り帳の出欠の締めや次の月の予定を書き込み、クラス便り(学年便りは他のクラスの先生と月交代)の作成もしていました。
絵画展の前には日付けが変わるまでみんな幼稚園で居残りで仕事をしていました。
その分やりがいはあり、達成感もあったのですが、結婚し、子どもがいる中では到底出来る仕事量ではなく、また責任という点でも育児をしながら全てを負うほどの心の余裕もなかったので、子どもを保育園に入れてから就職先に選んだのは別の私立幼稚園のパート職でした。
年長の副担任として、9時から16時までの短時間勤務。
主に保育の補助として、ピアノを引いたり、月に一度子育て支援の先生として、園外の子どもに遊びを提供したりしていました。
パート職は補佐的な仕事ばかりで責任という点では気楽だった
(正社員とパートのギャップ)
正社員の時には一人担任だったということもあり、とにかく一人で何もかも抱え込んでいました。
子どもたちとの関わり、保護者との関わり全てにおいてです。
パート職での仕事は、主担任の先生が指導している時にピアノで誘導したり、子どもたちに活動の説明をしている時に下準備をしたり、毎日のご飯の準備・片付けをするなど、ほとんどが補佐的な仕事だったので、責任という点ではずっと気は楽でした。
お便り帳の出欠の締めや次の月の予定の書き込みは、主担任の先生が指導してる合間に幼稚園で私が仕上げ、クラス便りの作成もなかったのでほとんど持ち帰りの仕事はありません。
ただ、パート職では思いっきり仕事に打ち込むというところまでは自分は気持ちがいかなかったので、やはりやりがいという点では物足りないものがありました。
子どもたちもどちらかといえば主担任の先生を信頼している様子があったので少し羨ましくも思ったことがあります。
4年のブランクもパート職にしたことで家事育児をしながら仕事と両立できた
(保育士としてパート職を選択して良かったと思うこと)
幼稚園の正社員を辞めてから4年のブランクがあったので、家事育児をしながらの両立して働けるのか本当に心配でした。
また体力も年齢的なものもあってか、すぐ眠くなったり疲れやすい身体になっていたので、その点も不安ではありました。
実際、職場復帰してパートとして働いてみると、ほとんど毎日の残業や持ち帰りの仕事がなかったのは本当に助かりました。
寝不足になることもなかったので体力的なものもそれほど心配することもなく、家事や育児にも支障がなかったので働き方としては良かったです。
子どもの朝の急な発熱や保育園から電話がかかってきたりした時も、申し訳なく思いながらも主担任の先生にお任せし、欠勤や早退が出来ました。
またパートでも時給としてはいいほうで、扶養の範囲内で働かせて頂いたので税金等も引かれることがなく、毎月のお給料としては自分の仕事内容を考えると十分な金額を頂いていたと思います。
子どもが好きだけでは保育の仕事は続けられないけど、やっぱり子どもが好き
(保育士を辞めるひとが多い中、あなたが保育士として働き続けている理由)
保育士の仕事は本当に大変です。
保育士の仕事は子どもが好きというだけではやり続けることが出来ないことを痛感しています。
特に私立の幼稚園で正社員として働いていた時はとにかく時間に追われ、仕事に追われ、体力的にも精神的にも本当に毎日疲れ果てていました。
でもその中でもやっぱり子どもたちと一緒に何かをやり遂げた時の達成感や子どもたちの成長を感じられた時の充実感は、普通に主婦してる時には感じることが出来なかったし、何よりもやっぱり子どもが大好きなのだと思います。